牽引車はトレーラブルをするためにヒッチメンバーという連結装置を取り付けしなくてはいけません。もちろんトレーラー側に制動灯や方向指示器の電力を供給する為の電線カプリングも必要です。現在(平成7年11月~)は規制緩和によりヒッチメンバーを取り付けしても、指定部品扱いとなり構造変更の申請が不要になりました。 ユーザーの責任で取り付けをするという事で、ヒッチメンバーが原因で事故がおきても、どこも保障もしなければ責任も取らないという事なので注意が必要です。 平成7年10月以前は陸運支局に保安基準適合検討書と強度証明書等を提出し(改造申請)審査後記載事項変更または構造変更検査を受検し型式に"改"が付き、備考欄に"けん引装置付き"と書かれました。
・ボール・カプリングのヒッチ・ボールの形状及び寸法は「ヒッチ・ボールの形状寸法規格」によること。 ・ヒッチメンバーの構造は、「ヒッチメンバー構造規格」によること。 ・トレーラーのボール・カプラは走行中の分離を防ぐ為に二重ロック構造であること。 ・安定性:ヒッチ・ボールにかかる垂直静荷重は0kg以上75kg以下とする事。 |
市販のヒッチメンバーを装着した場合、指定部品なので強度検討書は不要です。 溶接、リベット等による装着した場合は改造自動車申請、強度検討書、構造変更が必要になります。 ヒッチメンバーのクラス区分が明記されていないものにあっては、取付方法に関わらず強度検討書が必要となります。 また、貨物輸送のトラックなどに使用されるけん引員装置は、改造自動車申請、強度検討書、構造変更が必要です
上記のクラス区分が明確でない、あるいは不明なものは、けん引可能なトレーラーの総重量が不明となるため、けん引車両として設定する場合においては強度検討書が必要。 SAE規格のClassⅤ以上の規格のモノは、製造元により独自の規格となっている他。第二種トレーラーの車両総重量の上限、3500kg以上となるため、このクラス以上のものを使用してけん引する場合は、改造自動車申請、点欠装置の強度検討書が必要。 市販品で車種専用がない場合、また市販品の強度不足のためより強固なものを自作または製造した場合、それが例えボルドでの固定で装着できるヒッチメンバーだとした場合でもけん引できるトレーラーの総重量が明確になっていないため強度検討書が必要になります。そのため、市販品で規格が明確に記載されているもの以外は、けん引車登録をする段階で強度検討書が必要になります。これは組み立て申請の際などトレーラー側にけん引車を設定する場合です。950登録など場合は特にヒッチメンバーの強度を参照しておりません。そのため自作ヒッチメンバーであっても、950登録をすると第一種トレーラーで上限750kg以下、第二種トレーラーで上限が1990kg以下と車検証の備考欄に記入されますが、これはヒッチメンバーの強度が満たされていることを条件としている表記なので、ヒッチメンバーのけん引可能な重量を記しているものではありません。 |
けん引能力について
トレーラーをけん引できる能力を数値kg(又はlbs)で表したものです。主に水平方向→(最大けん引可能なトレーラーの総重量)と垂直方向↓(ヒッチボールにかけられる最大の荷重)に分かれます。けん引能力は、車輌のフレーム構造により決めらています。日本車に多いモノコック構造では一般的に1tなどのトレーラーけん引は難しいのが実情です。いずれの数値(水平方向、垂直荷重)もけん引するトレーラーが上回らないことがけん引の条件です。 |
安全チェーンまたは安全ワイヤ
トレーラーは安全チェーまたは安全ワイヤを備える事。 安全チェン又は安全ワイヤの強さは、トレーラーの車両総重量の2倍の荷重に耐える事。 駐車ブレーキ(チェーン式)チェーンまたはワイヤーの径が6m/mならOKで、片側がトレーラーのフレームに固定されている事が条件となります。 しかしながら、このチェーンやワイヤーについても強度計算書が必要となり、材質や引張り強さ、径、断面積から計算し安全率2以上である事を証明しなくてはいけません。 |
ヒッチメンバー級
ただし、かなりの部分が現行法規のベースとなっているので、参考にして下さい。灯火装置(Ⅰ種7極タイプ) |
ヒッチメンバー強度表示について
ヒッチメンバーの強度はアメリカ、日本ではクラス分けされています。アメリカでは、クラスⅠ、クラスⅡ、クラスⅢなど分けられており、日本では、Aクラス、Bクラスなど分かれております。詳しくは表をご覧下さい。なお、ニュージーランド、イタリア(ヨーロッパ)などはクラス分けされておらず、けん引能力のkg数値で表すようになっています。 アメリカのヒッチメンバー強度
日本のヒッチメンバー強度
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ヒッチ・ボールの形状規格
この規格は、ISOに準拠して制定したが、ボール径の公差は呼称寸法が2インチ(50.8mm)のものも公差内に入るように考慮して定めた。 |
ヒッチボールのサイズ
ヒッチボールはヨーロッパ系、アメリカ系があります。ヨーロッパ系は、ボール径50㎜で統一しており、主にヨーロッパ製のトレーラー牽引用です。また、スワンネックと呼ばれるレシーバーとボールが一緒になった形のものもボール径は50㎜です。アメリカ、日本製の2インチカプラー装着のトレーラーでもカプラー(ボールを連結する部分)の調節によりけん引できます。アメリカ系のボール径は1-7/8インチ、2インチ、2-5/16インチと3種類設定があります。※ボールマウントに取付するシャフトサイズは19mmと25mmの2種類あります。 いずれも牽引するトレーラーのカプラー部に使用するヒッチボール径が刻印されているので、それにあったボール使用してください。 本当はその上にもサイズ、シャフトサイズなどありますが、ライトトレーラーで主に使われる物としてです。 ヒッチシャフト径とボールマウントの関連表
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端子番号(識別番号)
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電線カプリング構造規格
電線カプリングの種別は次の通り7極用と12極用の2種類とする。
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